第10回 パーキンソン病について

今回はパーキンソン病についてお話させて頂きます。

パーキンソン病とは

有病率:10万人対80~100人
好発年齢:50~60歳代

特徴的な症状

安静時振戦、固縮、無動、姿勢反射障害

パーキンソン病とは神経伝達物質ドーパミンが減少する事により引き起こされる運動障害を特徴とした難治性の進行性変性疾患です。原因不明の疾患で中脳の黒質というところでドーパミンを作成するのですがその黒質に異常が起きドーパミンが十分な量が作成されない状態になります。

ではドーパミンが十分に作成されないとどんな問題が起こるのでしょうか?
ドーパミンとは運動調節、ホルモン調節、感情、意欲、学習などに関わるもので「報酬予測」に関与し、「強化学習」をするのに欠かせない物質です。また運動するにあたりどのような順番に組み合わせて行動を起こすかを計画したり、戦略を練ったりする働きをしています。ですからドーパミンが減少してしまうと正確な運動が出来なくなってしまい上記に挙げたパーキンソン病に見られる症状が出現するのです。

パーキンソン病はなかなか確定診断が下りる事が難しい病気です。パーキンソン病の典型的な症状が出てMRI、CTなどを取って他に異常がないときにパーキンソン病が疑われます。パーキンソン病は進行性の病気ですから正しい診断を受けて医師の指示通りに治療を進めていく必要があります。

次回はパーキンソン病の治療とリハビリについてお話したいと思います。