第5回 変形性膝関節症
今回は変形性関節症についてお話したいと思います。
中高年以降で明確な原因がなく膝が痛む場合、変形性の膝関節症が疑われます。特に女性の既往が多い疾患です。
変形性膝関節症になりやすい人は
- 50歳以上の女性
- O脚気味な人
- 捻挫や骨折の既往がある人
- 膝を酷使する職業についている(いた)人
- 肥満の人 (体重の重い人は関節に負担が掛かり関節軟骨がすり減りやすい)
膝関節と大腿四頭筋との関係
膝関節と大腿四頭筋は切っても切れない関係です。では大腿四頭筋はどのような影響を膝に及ぼすのでしょうか?
簡単に言うと、大腿四頭筋は歩行の際の蹴り出しと着地の際に、膝関節に加わる衝撃を吸収する役目を担っています。
膝関節に加わる衝撃はどれくらいかというと普通に歩くだけでも自分の体重の1.5倍~2倍掛かると言われています。また階段昇降では2倍~3倍とも言われています。
そこで大腿四頭筋が筋力低下を起こすとその衝撃を十分に吸収する事ができず膝への負担がより一層掛かってしまいます。衝撃を受けた膝は時間の経過とともに変形していき最終的には変形性の膝関節症になってしまうということです。
ですから、変形性膝関節症を予防するためには、大腿四頭筋の筋力低下を予防する必要があります。
ではどのように筋力低下を防ぐ事が出来るのでしょうか。
大腿四頭筋の筋力訓練(すでに膝関節に痛みがある場合)
膝下にタオルなどを丸めて敷き、それを膝裏で押し下げるようにする。この時、足首をそり返す
膝を真っ直ぐに伸ばし足首を反らしながら下肢を挙上する
変形性の膝関節症になる原因は他にも色々とありますが今回は大腿四頭筋にスポットを当てました。これはあくまでも予防ですので痛みが酷いときなどは整形外科に一度、受診してください。