第13回 五十肩の原因と予防法

中年以降、肩が痛い、肩が挙がらない等の症状に悩まされている人は少なくないと思います。いわゆる五十肩です。今回はその五十肩についてお話していきたいと思います。

関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが変性(老化)して肩関節の周囲の組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。この炎症の痛みというのが非常につらく、夜間寝る時もズキズキしたり、腕を伸ばした瞬間うずくまってしばらく動けなくなったり、稲妻が走るような痛みと形容される方もいるくらい、この痛みは非常につらいものです。 また炎症による痛みで肩を動かせないでいると、滑液包(肩関節の動きをよくする袋)や関節包(関節を包む袋)等の組織が癒着することがあります。そうなると肩の動きが制限され腕が高い位置まで上がらなくなります。(図1)

そもそもなぜそんなところに炎症が起こるのか。それを理解することで治療はもちろん、予防にも繋がってきます。

腕を挙げる際の動きですが、上腕骨(腕の骨)だけで動いているわけではありません。肩関節の土台になっている肩甲骨と鎖骨も連動して動いています。(図2)
ポイントはこの肩甲骨の動きにあります。肩甲骨の動きが肩こりや不良姿勢によって動きが悪くなると上腕骨がその分をカバーして動かなければならなくなります。そうすると上腕骨を動かす筋肉に負担が増え、炎症が起きて痛みが出ます。

つまり、この肩甲骨の動きをしっかり維持させることが重要なのです。肩甲骨がしっかり動いてくれていれば上腕部分にかかる負担は軽減され予防はもちろん、炎症症状がひどくなるのも防ぐことができます。

【トレーニング方法】

では、どのように動かしていけば良いのか、自宅でも簡単にできる体操をご紹介しましょう。

肩をゆっくり
あげてゆっくりおろします。

両肘をお腹の横につけ、ゆっくり外に開き、次にゆっくりと閉じます。腕を開こうとすると痛むことがあるので、背中の中心に肩甲骨を寄せるように意識します。

自分のおへそを見るようにしながらゆっくり背中を丸めます。 肩甲骨を意識しながらゆっくりと背中を反らせます。

【注意点】

お風呂上りなど体が温まった時に、各運動を10回程度ずつ行ってみてください。
また、痛みや違和感、運動後に痛みの増悪がある場合は無理をせず運動を中止してください。