肺運動負荷モニタリングシステムAE-310S、AE-300Sなどのマスクご使用時の注意

肺運動負荷モニタリングシステムのトランスデューサへ接続するマスクに関して誤った接続方法により測定結果に誤差を生じる場合があるため、ご使用に際しては下記の注意点に留意頂き正しい方法で使用して頂きますようお願い申し上げます。あわせて、取扱説明書の注意事項もご参照ください。

通常、人工呼吸器装着時程度の安静呼吸を対象として製造されている内径22φのマスクに対して弊社では、運動負荷時の大きな換気量に対応するため低呼吸抵抗で高精度に測定できるようにその内径を26φと大きくしております。そのため、通常よく使用されている医療用22φのマスク、配管とは互換性がなく接続はできません。無理に接続しますと以下のような問題が起こる可能性があります。

発生原因は次の理由が挙げられます。

  • 呼吸抵抗が増加するため被検者への負荷が増加し検査データを修飾する可能性があります。
  • 校正感度に対する誤差が発生する可能性があります。通常トランスデューサの校正はマスクを外して行われますのでこのときは内径26φの状態で正しく校正できていますので、この状態でトランスデューサの感度は、正常です。
    しかしながら測定時にトランスデューサの内側にマスクを挿入し校正時と異なる内径で測定を行いますと22φと26φではトランスデューサの断面積が異なっているため同じ風速であっても流量は異なるためその感度が変わります。これはどのような原理のトランスデューサであっても同じです。
  • また、感度のみならずトランスデューサ内部に不用意に異物を設置いたしますとトランスデューサ内部の気流に乱れが生じ熱線流量計の特徴の1つである広い測定範囲にわたって±3%以下のATS基準の精度を満たすことができなくなります。
  • 口径のわずかな違いからマスクの脱落などが起こる可能性があります。

このようなことから、トランスデューサに接続するマスクには注意をいただき、特にトランスデューサの内側に挿入するものをご使用にならないようにお願いいたします。また、使用できるかどうかわからない場合は最寄りの弊社営業所までお問い合わせください。

参考文献

安達 仁 編著 中外医学社
P.31 12 フェイスマスクの装着
AE-310S取り扱い説明書(P.23)